債務整理のイメージと現実
弁護士事務所や司法書士事務所が「債務整理」を専門に行うことを多くのメディアで広告をしているようになったことには理由があります。まず多重債務者または消費者金融等の借入の利用者のうち延滞している人が非常に増加してしまっている現状のためです。消費者金融・クレジットカードのキャッシング機能などの利用によって多重債務状態になっている人は調査によればのべ400万人(おおよそ日本人の100人に3人)といわれています。更に、平成18年12月に改正貸金業法が施行されたことによりグレーゾーン金利規制が撤廃され、消費者金融事業者や貸金融事業者等の貸付実績が、借金(債務)減額等の理由とできるようになったこともあります。グレーゾーン金利とは、それまで貸金業者に関係する法律とされてきた利息制限法、出資法、貸金業法の3つのうち、低利率である利息制限法と高利率である出資法の利息の差のことです。それまで高い出資法の基準で貸出業務が行われてきましたが、法律の改正後は低い利率の利息制限法を基準にするようにきちんと定められました。そのため適性な返還請求を行うことで、過払い分の減額や返却を求めることができるようになっています。
しかし多重債務問題が増加傾向にあることは間違いはありません。金融庁の公表資料によると5件以上の、消費者金融事業者あるいはクレジットカードなどのキャッシングの利用による、借入がある人のことを多重債務者と呼んでいます。